株価471.16USD(日中取引終値)
時価総額1.197兆USD(約173兆円)
自己資本比率55.5%
ROE 18.85%
ROIC 20.32%
PER(実績)237.85倍
PER(予想)58.14倍
PBR46.0倍
配当利回り0.03%
EV/EBITDA 179.66倍

                        *注:株価は2023/8/23時点。ROEは過去12カ月の実績数値。

2024年2Q決算結果

売上高135億ドル (約1兆9,575円、前年同期比101%増、1Q比88%増)
営業利益GAAP    68億ドル(同13.6倍増、同3.3倍増)
Non-GAAP 77億7,600万ドル(同5.9倍増、同155%増)
営業利益率GAAP  50.34% (同42.9pt増、同20.58pt増)
 Non-GAAP  57.57%(同37.81pt増、15.13pt増)
四半期純利益GAAP  61億8,800万ドル(同9.4倍増、同203%増)
Non-GAAP 67億4,000万ドル(同422%、同148%増)    
希薄化後EPSGAAP  2.48ドル
Non-GAAP  2.70ドル

売上、EPSともに大幅に市場予想を上回り過去最高益を達成した決算であった。1Qの決算発表時にデータセンターのリニューアル需要から信じられない程の注文が殺到しているとファンCEOはコメントしたが、その言葉の通り信じられない程の利益の伸びであった。売上高は前年同期比倍増の135億ドル、Non-GAAPベースで営業利益率が57.57%と同3倍近く上昇し、営業利益は同6倍近く増加し77億7,600万ドル、四半期純利益は同5.2倍増の67億4,000万ドルであった。また3Qのガイダンスも市場予想を30%近く上回る強気なものであった。

 

セグメント別売上の推移と概況

セグメント別売上(単位:百万USD)2Q233Q234Q231Q24      2Q24
データセンター3,8063,8333,6164,284    10,323
ゲーム2,0421,5741,8312,240      2,486
プロフェッショナル・ビジュアライゼーション496200226295        379
自動車220251294296        253
OEM、その他140738477          66
合計6,7045,9316,0517,192     13,507

データセンター向け売上は前年同期比171%増、1Q比2.4倍増の103億2,300万ドルとなった。データセンター向け売上の構成比率は76.4%と1Qの59.6%より16.8pt上昇した。クライアントは大手クラウド・サービス・プロバイダー、地域のクラウド・サービス・プロバイダー、コンシューマー向けインターネット企業等であった。多くの企業とAIイニシアティブが多数進行中である。パートナー企業はサービス・ナウ、アクセンチュア、VMウェア、スノーフレーク、WPP、ソフトバンク、ハギング・フェイス等である。

ゲーム向け売上は前年同期比22%増、1Q比11%増の24億8,600万ドルとなり昨年の需要の鈍化から回復した。ラップトップ用、デスクトップ用のGeForce RTX 40 Series GPUの需要が底堅く売上の伸びを牽引した。

プロフェッショナル・ビジュアライゼーションの売上は、前年同期比▲24%、1Q比では 28%増加の3億7,900万ドルであった。前年同期比減少はパートナーの小売店の在庫を減らすために納入量を減らした事による。1Q比増加はエンタープライズ ワークステーションの需要の高まりと、Ada Lovelace アーキテクチャに基づく NVIDIA RTX 製品の増加によるものであった。

自動車向け売上は前年同期比15%増、1Q比▲15%の2億5,300万ドルであった。前年同期比増加は新エネルギー車メーカーによる自動運転プラットフォームの需要によるものであった。1Q比減は中国車メーカーからの需要の鈍化による。

OEM及びその他向け売上は前年同期比▲53%、1Q比▲14%の6,600万ドルであった。売上減は主に、エントリーレベルのノートブック GPU の売上の減少によるものであった。

 

3Qのガイダンス

売上高は160億ドル±2%。粗利益率はGAAPベースで71.5%、Non-GAAPベースで72.5%±0.5%。営業費用はGAAPベースで29.5億ドル、Non-GAAPベースで20億ドルを予定している。営業外損益はGAAPベース、Non-GAAPベースともに1億ドルの予定で持分法適用会社の損益を除く金額である。税率は14.5%、±1%を予定している。2Qの設備投資額は2億8,900万ドル、2024年度年間の設備投資額は11億~13億ドルの予定である。

                             

業績推移

Nvidia    2Q2023   3Q2023   4Q2023   1Q20242Q2024
(単位:百万USD)     
売上高6,7045,9316,0517,19213,507
売上原価3,7892,7542,2182,5444,045
粗利益2,9153,1773,8334,6489,462
営業費用     
 研究開発費1,8241,9451,9521,8752,040
 販管費592631625633622
 買収中止費用           -           -           -           -           -
総営業費用2,4162,5762,5772,5082,662
営業利益4996011,2562,1406,800
金利収入4688115150187
支払金利(65)(65)(64)(66)(65)
その他(5)(11)(19)(15)59 
営業外収益(費用)ネット(24)12 32 69 181
税引前利益475 613 1,2882,2096,981
法人税181 (67)(114)(166)(793)
純利益656 546 1,5482,0436,188
完全希薄化後株式数2,5162,4992,5072,4902,499
完全希薄化後EPS0.260.220.620.822.48
      
修正EBITDA*1,5251,7522,4203,2598,007
修正EBITDAマージン22.7%29.5%40.0%45.3%59.3%
営業キャシュフロー1,2703922,2482,9116,348
設備投資433530509248289
フリーキャッシュフロー837-1381,7392,6636,059
*修正EBITDA=営業利益+減価償却費用、のれん代償却費用+株式型報酬   

    (注:エヌビディア社決算資料に基づき株式会社pafin作成)    

業績予想コンセンサス       

 

FY20241Q2Q3Q(E)通期(E)
     
売上高(百万USD)7,19213,50715,15053,710
完全希薄後EPS(Non-GAAP)0.822.73.0710.1

                      (注:株式会社pafin調べ)

投資判断

「世界中の企業が汎用コンピューティングからアクセラレーテッド・コンピューティング、生成AIへと移行している」と2Qの決算ステイトメントでファンCEOはコメントしているが、エヌビディアのA100とH100搭載のChatGPTのローンチ以降AI半導体の需要は爆発的に伸びている。AI半導体の市場規模は半導体全体の6%と推計されているが、この比率は5年で12%~13%に成長すると言われており、エヌビディアの業績は通常のシリコンサイクルの影響は受けずらいのではないかと考えている。利益の伸び方が他のIT企業と違い倍々ゲームのように伸びており、バリュエーションの上方修正による株価上昇余地は大きいと思われる。

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