【カプコンの決算ポイント】

価格施策により旧作販売が利益の下支えになっており今期も最高益更新か!?

カプコンの株価情報

株価

(2022/8/19)

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

3,815円

8,144億円

78.3%

21.4%

19.8%

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

 25.01倍

23.61倍

5.34倍

1.21%

13.51倍

 

カプコン:2023年3月期1Q決算結果

売上高252億円前年同期比47.9%減
営業利益121億円同48.9%減
四半期純利益90億円同48.1%減

前年同期に大型タイトルの『バイオハザード ヴィレッジ』が発売された事から前年同期比で減収減益となった。為替差益は7億2,700万円計上したが同業他社に比べて遥かに小さく、純利益は48%減少と大幅減益となった。営業利益率は同0.9pt低下し47.8%となった。

セグメント別概況は

【デジタルコンテンツ事業】

セグメント売上高198億円前年同期比54.9%減
セグメント利益125億円 同48.8%減
セグメント利益率63.1%前年同期55.7%
販売本数(コンシューマー)1,170万本前期比12%減

2022年3月末に発売した新作『モンスターハンターライズ:サンブレイク』は7月13日時点で300万本販売を達成した。また、旧作の価格施策が奏功して1Qに旧作の販売本数は前年同期比76.9%増の900万本を達成した。『モンスターハンターライズ』は累計1,000万本を突破した。

 

【アミューズメント施設事業】

セグメント売上高32億円前年同期比39%増
セグメント利益1億円黒字転換
セグメント利益率 5.7%前年同期N/A
既存店売上前年比130%N/A

今年3月のまん延防止等重点措置の全面解除による来店客数の回復に加え、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図り、前年同期比で増収増益となった。総店舗数は前年同期比1店増加の43店となった。

【アミューズメント機器事業】

セグメント売上高6億円前年同期比50%減
セグメント利益2億円同フラット
セグメント利益率 41.6% 前年同期19.0%

新機種『月華 雅』を4月に発売し、順調に推移した。2021年2月に投入した『バイオハザード7 レジデント イービル』は市場での長期稼働を受け、リピート販売をした。売上は半減したが、利益はフラットで結果としてセグメント利益率が大幅に向上した。

【その他事業】

セグメント売上高14億円前年同期比75%増
セグメント利益  8億円同100%増
セグメント利益率57.0% 前年同期57.9%

『モンスターハンターライズ:サンブレイク』関連商品の展開を積極展開した。実写ドラマシリーズ『バイオハザード』を7月14日よりNetflixにて全世界独占配信を開始した。また、eスポーツ大会 「CAPCOM Pro Tour 2022」を全世界でオンライン大会として開幕した。

カプコン:2023年3月期予想

通期の業績の計画は従前予想を維持した。

 

売上高1,200億円前期比9.0%増
営業利益480億円同11.9%増
当期利益 345億円同5.9%増
EPS161.59円
一株当たり配当金46円

1Qは計画に対して順調に進捗。下期に新作大型タイトルの発売を予定している。販売本数は過去最多を計画している。デジタル戦略のもと、リピート販売をグローバルで拡大する予定である。『バイオハザード ヴィレッジ』の無償特典タイトル『バイオハザード RE:バース』を10月28日に配信開始を予定している。シリーズ最新作『バイオハザード RE:4』は2023年3月末に発売予定である。

アナリストによる投資判断

7月26日の決算発表で1Qの利益はほぼ半減した事から翌27日にカプコン株は売られ、一時6%以上下がったが、ひけにかけて前日終値近くまで値を戻した。カプコンの強さは旧作をホリデーシーズンに価格を下げて売る事により新タイトルに売上が左右されるリスクを低減しているところであると思う。またNetflixでバイオハザードのCGアニメの放映、映画公開等カプコンの認知は拡大しているが、先月からバイオハザードの実写ドラマの配信も始まりこれがバイオハザード・シリーズの販売増につながると思われる。現在の株価で予想PERが23.61倍、PBRが5.34倍、EV/EBITDA が13.5倍と割高感はない。

執筆日:2022年8月19日

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執筆者プロフィール

株式会社pafin 

マーケットアナリスト 西村 麻美

西村麻美/mami.png

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。

 

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